Instagramにも書いたが、エレキベースを始めた。
正確には、高校生の頃に買ったものの数日で放置していたエレキベースを改めてやってみることにした、となる。
「なんで始めたの?」と人に聞かれたときには、だいたい「メロディとリズムの両方を楽しめそうなので!」「ギターはいつも挫折してしまうので試しにベースをやってみようかなと……」などと答えている。
しかし、最も根本にある理由は、何者かになりたいという想いが募った夜に偶然バズマザーズというロックバンドのことを思い出したからだ。
バズマザーズは2011年にギターボーカルの山田亮一を中心に結成されたロックバンド。
残りのメンバーであるベースの重松伸、ドラムの福岡“せんちょー”大資と3人で、心に響く楽曲を世に送り出しているイケてるグループである。
バズマザーズの初ライブは2012年3月18日、名古屋の新栄・club Rock’n’Rollにて行われた。
もともと山田さんがやっていたバンド[1]2004年から2012年まで活動していたハヌマーンというバンドの楽曲に中高生活で何度も救われていたので、過剰なまでにワクワクしながら兵庫県から一人で見に行ったことを覚えている。
ライブハウスでは楽しい時間を過ごせて、行って本当に良かったし素晴らしい時間に立ち会えたと未だに心の底から思う。
終演後に幸運にもメンバーのみなさんと乾杯させていただき、直接感想を伝えることができて最高の気持ちでホテルに戻ったのを昨日のことのように思い出せる。
閑話休題、エレキベースを始めたキッカケに戻ろう。
昨日、深夜2時くらいに世の中のさまざまなことが嫌になり、久しぶりに音楽を聴いてみることにした。
どうせ自分ではどうにもできない物事のことで悩みながら天井を見つめていても意味がないと思ったのだ。
最近はゆっくり音楽を聴く時間を取れておらず、最初の1曲目をどうするか非常に悩んだ。
熟考の果てに、指先が選んだのがバズマザーズ。
孤独な真夜中にふと呟きたくなるような言葉を紡ぐのが山田さんは最高に上手い。
今回も何かしらの救いが自分の中に生まれるのではないかと思った。
やっぱり何度聴いても、心の芯に言葉が刺さる。
「憧れに少しでも近づきたい」と思った。
しかし急に名曲を作り出す能力は自分にはない。
そこで、昔ベースの重松さんに京都二条nanoで言われたことを思い出した。
「バンドを長くやりたいとき、作曲できるなら名曲を作ること。俺は作れないから亮一の要望に全力で応え続けている。バズマザーズをやるまでスラップなんてやったことがなかった」
聞いた当時の20歳の自分は名曲を作ろうと必死になったが、今の27歳の自分は応える側でも良いのではないかと思った。
応える側として全力を尽くすうちに、名曲も生まれるかもしれない。
あの日のnanoで山田さんには「バンドはとにかく縁だから、やっていれば自然と人と繋がっていく」と言われた。
深夜未明、バズマザーズの楽曲を聴き終えた静寂の中で、重松さんと山田さんの言葉を火種にベーシストになったのである。
注釈
| ↑1 | 2004年から2012年まで活動していたハヌマーンというバンド |
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