心が雨漏り続きの1ヶ月を耐え抜いて

1ヶ月前の3月15日は開業記念日だった。特に何があるというわけではないが、毎年少しだけ気持ちがシャキッとする一日だ。

今年は開業してから5年目ということで、新たなことに今まで以上に積極的に挑戦していきたいと考えていた。そんな決意を抱いている5年目の開業記念日、バリバリと仕事をこなして無事に普段通り一日を終えた。

しかし、ここからが大変だった。3月15日からの1ヶ月間は、今までの悪事への罰をひたすら受けているかのような毎日を過ごすことになったのだ。

先方の都合に合わせて約束の場所に行ったら、急な予定変更によってリスケ。このパターンをすぐに思い出せるだけでも5回は経験した。引きこもりがちな自分にとって、5回は非常に多い。

他にも些末なトラブルやミスが多発し、予定通りに物事が進んだ日が全く無いと言っても過言ではないほどだった。1週間も経った頃には、涙が急に出て止まらないことが増えた。ピアノを練習しながら何度も泣いた。不意に発狂したくなることもよくあった。明らかに心が参っていた。

もともと今年に入ってから心の漠然とした不調で10kg近く体重が落ちていたため、完全にトドメが刺されたような感覚。とはいえ、仕事は仕事としてクオリティに妥協はしなかった。身体が薄くなるなかで、仕事での実績は分厚くなっていった。

転機は4月になって徐々に訪れた。死にかけながらどうにかアポを取って知り合った方々との出会いが自分を救ってくれたのだ。具体的に何か助けられたわけではない。全員、私が不調だったことすら知らないだろう。

しかし、確かに彼ら彼女らとの縁が自分を地獄から引き上げてくれた。最近は、約束の場所に行ったら約束通りの時間に相手が来る。細かなことでも理不尽な空振りを感じることはない。

今日もお気に入りのYohji Yamamotoのジャケットを着て、上機嫌に仕事をしている。薄くなった身体を味方につけて、今後も躁と鬱の狭間を生き抜いてゆく。心が雨漏りしているときに傘を差し出してくれる人たちに最大限の感謝を込めて。

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